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NewJeansヘインを輩出した4DLABLE訪問記。本場で聞いた「スターを生む親の教育」とは?

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The Path編集部
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NewJeansのヘイン、BABYMONSTERのRoraを輩出した韓国ソウルのダンスアカデミー「4DLABLE」を訪問。現場で聞いた「技術より親の教育が重要」というリアルな声と、我が子をK-POP練習生にしたい親が知っておくべき全てを記録。

韓国ソウル、不光(プルグァン)駅直結のNC百貨店8階——。エレベーターの扉が開いた瞬間、バスドラのような重低音と、鏡張りの練習室から漏れる若い声が飛び込んできた。

ここは4DLABLE(フォーディー・レーブル/4D레이블)。NewJeansのヘイン、BABYMONSTERのRora、ダンスYouTuber「ナ・ハウン(Awesome Haeun)」を輩出したと公言する、韓国K-POPアカデミーの「聖地」のひとつだ。

我が子をK-POPアイドルにしたい——。そんな親御さんからの相談を、THE PATHでは毎日のように受ける。実際に現地へ行って何を感じたのか、何を聞いたのか。今回は訪問記として、子どもの夢を本気で応援したい親に向けて記録する。

プロローグ:聖地「4DLABLE」を訪ねて

不光駅直結、NC百貨店8階

4DLABLEの所在地は、意外にも江南(カンナム)ではない。ソウル北西部の恩平区(ウンピョング)、地下鉄3号線と6号線が交差する不光駅6番出口から徒歩1分、NC백화점 불광점の8階にある。百貨店の上層階フロアの一角が、まるごとダンスアカデミーになっているのだ。

エレベーターを降りると、真っ黒い看板に白抜きで「4D LABLE DANCE」の文字。その下の扉の向こうから、4つ打ちのビートが腹の底に響いてくる。受付の奥、鏡張りの練習室では、小学生くらいの女の子たちが真剣な表情でパート練習をしていた。

この場所から世界へ

4DLABLEは6歳から19歳までを対象にしたダンス・ボーカル・アイドル入試対策の専門アカデミー。キッズアイドルクラス、アイドル準備クラス、インフルエンサークラス、ハンリム芸術高校(한림예고)などの芸術高校入試対策クラスと、年齢とレベルごとに細かく分かれている。

受付の方に「NewJeansのヘインさんやBABYMONSTERのRoraさんもここで?」と尋ねると、「そうですよ」と穏やかに頷いた。彼女たちの名前がこのフロアから生まれたと思うと、背筋が少し震えた。

衝撃の事実:ヘインとRoraは「同じ児童グループの仲間」だった

2017年、U.SSO Girlという小さな一歩

取材の中で最も興味深かったのが、NewJeansのヘインとBABYMONSTERのRoraが9歳の頃、同じ児童グループに所属していたという事実だ。

2017年11月、「U.SSO Girl(우쏘걸)」という子どもだけのガールグループが「Go Go Sing」という曲でデビューした。メンバーは皆小学校3〜4年生くらい。当時のヘインのステージネームは「U.Jeong(유정)」、Roraは「U.Ha(유하)」だった。

このグループは短期間で活動を終えたが、その数年後、二人はそれぞれ別の道を歩んで世界的スターになる。ヘインは2021年にADORの練習生となり、2022年7月にNewJeansでデビュー。Roraは2018年7月にYG Entertainmentに入り、約6年間の練習生期間を経て2024年4月にBABYMONSTERでデビューした。

小さな成功の積み重ねが、大きな自信を作る

現場の方は、このエピソードに関連して「才能だけじゃなく、小さな成功の積み重ねが子どもを変える」と話してくれた。いきなり大手事務所のオーディションに挑戦するのではなく、まず小さな舞台、小さな発表会、小さなグループで「できた!」という経験を積むことが、後の大きな挑戦を支える土台になる。

実際、Roraについては、YGのトレーナー・リ・イジョンが「2年間で最もダンスが伸びた練習生」と公言している。Roraは練習のためにバスで片道2時間かけてYG本社に通い続けた。9歳で児童グループに参加した経験、片道2時間の通学、そして6年間の練習生期間。一つひとつは小さな「続ける」行動が、世界デビューという結果に繋がった。

技術以上に「親」が見られている

求められるのは「人柄」

訪問中、最も印象的だったのは「ダンスの技術よりも、人間性が重要視される」という言葉だった。特にSMやJYPといった大手事務所は、練習生オーディションの段階から「人柄点」を厳密に評価することで知られている。

JYPのパク・ジニョン代表は以前から「実力は後から伸ばせる。人柄と情熱が最も大切」と公言している。以前のブログ記事でも取り上げたが、JYPでは読書感想文の提出やマナー講座が練習生に義務付けられている。人柄点が基準に達しないだけでデビュー候補から外れるケースすらある。

家庭教育が見られている

4DLABLEの現場で聞いた「人間性が重要」という言葉は、言い換えれば「家庭教育が見られている」ということだ。練習生として事務所に入れば、そこから先は親元を離れて数年間の集団生活が始まる。挨拶、礼儀、トレーナーへの対応、チームメイトとの関係性——これらすべての「土台」は、家庭で作られている。

4DLABLEが求める「親のスタンス」

メンタルサポートの重要性

オーディションに向かう前日、練習中にうまくいかなかった日、友達に差をつけられたと感じた日——子どもはしょっちゅう揺れる。その時に親がどんな言葉をかけるかで、子どもの成長曲線は大きく変わる。

現場で聞いた印象的な話がある。「親御さんが『今日はよく頑張ったね』と言うか、『なんでもっとできないの』と言うか。たったそれだけで、子どもの次の1週間が変わります」。

厳しさと愛情のバランス

一方で、過保護もまた問題だという。K-POP練習生の世界は競争が激しく、毎月のように「月末評価」で順位が付けられる。親がすべてを肩代わりしてしまうと、子ども自身が壁を乗り越える力を失う。

厳しさと愛情のバランス。これが難しい」と現場の方は語っていた。

親が直面するリアルな苦労

仕送りと海外送金の壁

日本から韓国の練習生に仕送りをする場合、海外送金の手数料が意外と高い。銀行経由だと1回4,000〜7,000円の手数料がかかることも。最近はWise(旧TransferWise)や、LINE Payのカカオペイ連携など、低コストの送金サービスを使う親が増えている。

子どものための口座を韓国で作るにも、外国人登録証(D-4ビザ等)が必要になる。練習生ビザの取得からサポート体制まで、親が知っておくべきことは多い。ビザガイドで詳しく解説している。

スマホ没収と通信制限

多くの事務所では、練習生のスマホを規定時間外に没収する、またはSNS使用を制限するルールがある。子どもが親に連絡を取る手段が限られる期間もある。「週1回、決まった時間だけ電話ができる」という事務所もある。

この状況で親ができるのは、待つことだけだ。毎日連絡が来ないことを不安に思うのではなく、「頑張っている証拠」として静かに応援する。これが想像以上に精神的に厳しい。

EMS荷物と現地での生活支援

日本から韓国へ食料品や日用品を送る場合、EMS(国際スピード郵便)が最も使いやすい。ただし、肉製品・一部の調味料・生鮮品は送れない。韓国で手に入らない日本の味(カレールー、即席味噌汁、ふりかけ等)を定期的に送っている親御さんは多い。

荷物の制限、関税、配送日数——これらはすべて、親が代わりに調べて対応する必要がある。

契約書と違約金の落とし穴

そして最大のリスクが契約書の違約金条項だ。韓国では2026年1月1日から、標準トレーニー契約の改正が施行された。具体的には、契約解除時の損害賠償請求について「◯日以内に支払うこと」という明確な支払期限の明記が義務付けられた。事務所側が一方的に即時解除・即時違約金請求することはできなくなった。

ただし、これは標準契約を使っている大手事務所に限った話。中小事務所では、独自の契約書で高額な違約金を設定しているケースが未だにある。2025年6月にはソウル地裁がMajesty Entertainmentの練習生に違約金支払いを命じる判決を出した。親が契約書を事前にしっかり確認することの重要性は、これまで以上に高まっている。

他の親御さんたちのエピソード

BTS SUGAの親が最初は「反対」だった話

BTS SUGAは、練習生時代を振り返って「一食食べたら、バスに乗るお金がなかった」と語っている。両親は当初、彼の音楽・ラップへの情熱を理解できず、歌詞を書いたノートを破られたこともあったという。SUGA自身は「両親に『可能なんだ』と証明しなきゃならなかった。それが僕を突き動かした」と語っている。

後日、両親が初めてBTSのコンサートに来た時、SUGAはステージ上でひざまずき、涙を流した。また、Big Hit(現HYBE)のパン・シヒョク会長は、SUGAが練習生時代に学費を支払えなくなった時、自腹で支払ってくれたというエピソードも伝えられている。

親が最初から理解してくれるとは限らない。でも、子どもが結果を出せば、やがて分かってくれる日が来る。

Stray Kids バンチャンの「7年間」

Stray Kidsのリーダー、バンチャン(Bang Chan)は、父親がオーストラリアで水泳のトレーナー(特にスペシャルオリンピックスの選手を指導)をしている家庭で育った。8歳で50m自由形の記録を出すほど水泳が得意だったが、13歳でJYPのオーストラリア・オーディションに合格し、単身渡韓。7年間の練習生生活を送った後、2018年にStray Kidsでデビューした。

家族と離れ、文化も言葉も違う環境で7年間耐え続けたバンチャンの強さは、決して一人では生まれていない。オーストラリアの家族からの精神的サポートが、彼を支え続けた。

日本のスクールとの決定的な違い

日本にもK-POPを教えるダンススクールは増えている。ただし、韓国の4DLABLEと日本のスクールには、決定的な違いがある。

日本のスクール: 週1〜2回のレッスンが中心。他の習い事や学校との両立を前提にカリキュラムが組まれている。楽しく続けることを重視。

韓国の4DLABLE型: 学校の後に毎日数時間、週末は1日中。入試対策クラスは高校受験レベルのプレッシャー。「楽しい」ではなく「本物」を目指す環境。

もちろん、日本の学校に通いながら部活のようにK-POPを楽しむのも素晴らしい選択だ。ただし、「プロとして通用するアイドルを目指す」という場合、どこかの段階で韓国の環境に飛び込む決断が必要になる。

その時、親が「行ってこい」と背中を押せるか、「危ないからやめなさい」と止めるか。その判断が、子どもの未来を左右する。

まとめ — K-POPは親子で戦う「共同プロジェクト」

4DLABLEを訪問して最も強く感じたのは、K-POPアイドルという職業は、子ども一人の挑戦ではなく、親子で戦う共同プロジェクトだということだ。

子どもが持つ夢、才能、情熱——これらは子ども自身のもの。でも、その夢を現実にするためには、親の理解、精神的サポート、経済的サポート、そして背中を押す勇気が不可欠だ。

現場の方が最後に教えてくれた言葉を、そのまま記録しておく。

親御さんの存在が、子どもの最大の武器になります。スキルは練習すれば身につきますが、家庭から持ってくる『芯』は、ここでは作れないんです。

我が子の夢を応援する覚悟がある親御さんへ。まずは日本人K-POPアーティスト名鑑で先輩たちの軌跡を学び、現在募集中のオーディション情報を確認しよう。そして、プロフィール作成から始めよう。60秒でお子さんのEPK(電子プレスキット)を作成し、韓国事務所に届けることができる。

そして、気になることがあれば、THE PATHの公式LINEで相談してほしい。K-POPを目指す子どもを持つ親御さんのための最新情報を、LINEでお届けしている。

K-POPの世界は厳しい。でも、そこにはあなたのお子さんだけの物語を作れる場所がある。

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