ソウル・東廟のヴィンテージ熱狂——Z世代が「古着」に見出す新しいクールの正体
ソウル最古の蚤の場として知られる東廟(동묘)エリアが、MZ世代の間で「ヒップな消費」の聖地として急浮上している。大量生産品に背を向け、一点物の古着やレトロ雑貨に個性と物語を求める若者たちが、かつて中高年の生活市場だった路地に新風を吹き込んでいる。単なるトレンド消費を超え、サステナビリティ意識や自己表現欲求と結びついた「東廟感性」は、韓国ストリートカルチャーの新たな震源地として注目を集める。
東廟前駅を降りると、時間の層が剥き出しになったような景色が広がる。色褪せたジャンパーが軒先に揺れ、昭和の香り漂うカセットテープや見知らぬ外国語のプリントTシャツが雑然と積み上げられている。かつてここは、リタイア世代が実用品を掘り出す「おじいちゃんの市場」だった。ところが今、その路地にはカメラを片手にした20代が列をなしている。
彼らが求めるのは「偶然性」だ。アルゴリズムが最適化したECサイトでは絶対に出会えない、予測不能な一点物との邂逅。東廟の雑踏はその不確かさそのものを売っている。1000ウォン均一のワゴンを漁る行為は、もはやケチな節約ではなく、審美眼を試す知的ゲームとして消費されている。
SNS上では「동묘 감성(東廟感性)」というハッシュタグが独自の美学を形成しつつある。くすんだ色調、非対称なシルエット、意味不明なロゴ——それらは「ダサさ」ではなく「文脈を持つ個性」として読み解かれる。ADORが提唱するニュートロ美学と通底するこの感覚は、完璧に磨き上げられたアイドルビジュアルへのカウンターカルチャーとも言える。
注目すべきは消費の倫理的側面だ。東廟通いの若者たちの多くは、ファストファッションへの批判意識を明確に持っている。古着を選ぶことは環境負荷の軽減であり、同時に「量産型」から距離を置くアイデンティティ宣言でもある。価格の安さは入口に過ぎず、彼らが本当に買っているのは「自分だけの物語」だ。
東廟は変わらない。ただ、そこを歩く人の目線が変わった。それだけで、古びた市場は最前線のカルチャースポットに化ける——これが東廟感性の本質である。
出典: v.daum.net (https://news.google.com/rss/articles/CBMiVEFVX3lxTE50c25XQl90WVU4a1U0ajJtbUlKWURXLVZHWXdIMFFzMzZ2T1RrMFlVSHpFc0I2Q19JdHlBT0RnUkkwOE5MVEpnRlA2ZlhXaFJSRXFYcw?oc=5)