K-POP4大事務所の売上・収益構造を徹底比較【2025年決算】コンサートがアルバムを逆転した年
K-POP4大事務所の売上・収益構造を徹底比較【2025年決算】コンサートがアルバムを逆転した年
HYBE・SM・JYP・YGの2025年売上を完全比較。HYBE売上2.65兆ウォン(過去最高)だが利益73%減の衝撃。コンサート収益69%増でアルバムを逆転、グッズ36%増、Weverse黒字化。海外売上比率、収益構造の内訳まで数字で読み解くK-POP業界。
K-POP4大事務所は、どこからお金を稼いでいるのか。
「CDを売って儲けている」と思っている人が多いが、2025年のデータを見ると全く違う景色が見えてくる。HYBEの最大の収益源はコンサート。アルバム売上は前年比10%減。代わりにコンサート収益が69%増、グッズが36%増。
K-POPの稼ぎ方は、大きく変わりつつある。
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4大事務所 2025年 売上比較
| 事務所 | 年間売上 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| HYBE | 2兆6,499億₩(約2,780億円) | 494億₩ | 1.9% |
| SM | 約8,200億₩(推定) | 3,557億₩ | 最高益 |
| JYP | 8,219億₩ | 1,606億₩ | 高水準 |
| YG | 5,454億₩ | 537億₩ | 回復基調 |
なぜHYBEは売上最高なのに利益73%減なのか
HYBEの営業利益が前年比73%減(494億ウォン)に落ち込んだ理由は3つ:
- 1北米事業の構造改革コスト
HYBEは北米で「マネジメント中心」から「レーベル中心のIPビジネス」への転換を進めた。この再編に伴い、Q4だけで約2,000億ウォンの減損損失を営業外損益として計上。これが利益を大きく押し下げた。
- 1新人アーティストへの大規模先行投資
南米の5人組グループなど、グローバルIP化を見据えた新規グループのトレーニング・制作・プロモーションに大型投資。デビュー前のアーティストはコストだけが先行するため、短期的には利益を圧迫する。
- 12期連続の最終赤字
HYBEは2024年に続き2025年も最終赤字。売上は過去最高なのに赤字が続く構造は、「成長への投資フェーズ」と見るか「収益力の低下」と見るかで評価が分かれる。
なぜSMは最高益を出せたのか
SMの営業利益が261%増(Q3)を記録した理由:
- 1aespaとNCT WISHのアルバム大ヒット — Q3だけでアルバム542万枚を販売(前年361万枚から50%増)。aespa「Rich Man」113万枚、NCT WISH 148万枚
- 2コンサート収益37.5%増 — aespaのドームツアーが貢献
- 3グッズ32.8%増 — aespaのコンサートグッズ・ライトスティック、ポップアップストアが好調
- 4ファンプラットフォーム「DearU」の成長
SMはHYBEのような大型投資をせず、既存アーティストの収益最大化に集中した「守りの経営」が功を奏した。
JYPが売上倍増した理由
JYPの2025年Q2売上は前年比125.5%増の2,158億ウォン、営業利益は466.3%増:
- 1Stray Kidsワールドツアー — 23都市54公演。コンサート売上342%増
- 2コラボグッズの爆発的ヒット — Stray Kids×たまごっち、TWICE×サンリオ。グッズ売上355.9%増
- 3TWICEの再契約効果 — 全員再契約という異例の結果がファン心理を安定させ、グッズ・コンサート需要を押し上げた
JYPは496名の少数精鋭(従業員データ記事参照)で、4大事務所中最高の1人あたり年収を実現しつつ、利益率も高い。
YGが黒字に復帰した理由
YGは2024年の赤字から2025年Q1に黒字復帰(営業利益95億ウォン):
- 1TREASUREとBABYMONSTERのワールドツアー — コンサート売上275%増。若手IPへの投資が実を結んだ
- 2BLACKPINKの活動再開への期待 — 2025年後半にミニアルバムを予定
- 3コスト管理の改善
YGは長年「BLACKPINKとBIGBANG頼み」と批判されてきたが、TREASURE・BABYMONSTERが収益に貢献し始めたことで、ポートフォリオの分散が進んでいる。
「売上が大きい=儲かっている」ではない。HYBEは「投資」を、SMは「収穫」を、JYPは「効率」を、YGは「復活」を選んだ。4社の戦略は全く異なる。
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HYBEの収益構造(2025年)
HYBEは収益の内訳を公開している。K-POP事務所のビジネスモデルがどうなっているか、最も詳しく見える事例。
| 事業部門 | 売上 | 前年比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 音楽(アルバム・配信) | 7,730億₩ | -10.2% | 29.2% |
| コンサート | 7,639億₩ | +69.4% | 28.8% |
| グッズ・ライセンス | 5,706億₩ | +35.8% | 21.5% |
| ファンプラットフォーム(Weverse) | 約2,650億₩以上 | +30% | 10%以上 |
| その他(出演料・広告等) | 約2,774億₩ | — | 10.5% |
注目ポイント
- 1コンサートがアルバムを抜いた
2024年Q1時点では音楽が売上の40%超、コンサートは12%だった。わずか1年でコンサートが音楽を逆転。2025年のHYBEは279回のグローバルイベント(コンサート250回+ファンミーティング29回)を開催した。
- 1アルバム売上は減少トレンド
音楽売上は前年比10.2%減。K-POP業界全体でアルバムの物理的な売上が頭打ちになりつつある。韓国タイムズは「K-POPアルバムがますますグッズに近づいている」と報じている。
- 1グッズが急成長
グッズ・ライセンス収入は前年比35.8%増の5,706億ウォン。コンサート会場でのグッズ販売だけでなく、IPライセンス(キャラクター、コラボ商品等)が成長ドライバー。
- 1Weverseが黒字化
ファンプラットフォーム「Weverse」が年間ベースで初の黒字化。デジタルメンバーシップやWeverseDMなどのサブスク型収益が成長。
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HYBEレーベル別 売上比較(2025年上半期)
HYBEの傘下レーベル別売上が明らかになった(サムスン証券のアナリストレポートによる2025年上半期の推定値。HYBE公式IR資料ではレーベル別の詳細売上は非公開のため、証券会社による分析・推定である点に留意):
| レーベル | 売上 | 純利益 | 代表アーティスト | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| HYBE Japan | 3,341億₩ | 319億₩ | &TEAM、NEXZ等 | — |
| Big Hit Music | 1,891億₩ | 151億₩ | BTS、TXT | 172名 |
| Pledis | 1,631億₩ | 302億₩ | SEVENTEEN | 144名 |
| BELIFT LAB | 718億₩ | 160億₩ | ENHYPEN | 86名 |
| SOURCE MUSIC | 387億₩ | 45億₩ | LE SSERAFIM | 64名 |
| KOZ | 339億₩ | 71億₩ | BOYNEXTDOOR、Zico | 56名 |
| ADOR | 173億₩ | 36億₩ | NewJeans | 35名 |
レーベル別の読み解き
- 1HYBE Japanが売上トップ
日本法人が全レーベル中で最大の売上(3,341億ウォン)を記録。HYBE JapanはBTS・SEVENTEEN・ENHYPEN・LE SSERAFIM・TXT等のHYBE全アーティストの日本市場での活動(日本版リリース、日本ツアー、グッズ販売)に加え、&TEAMやNEXZなど日本発グループの活動も管轄する。日本市場がHYBEグループ全体の収益の柱であることがデータで裏付けられた。
- 1Pledisが利益率トップ
SEVENTEENを擁するPledisは売上1,631億ウォンに対して純利益302億ウォン(利益率18.5%)。SEVENTEENの圧倒的なアルバム販売力とワールドツアーが安定した収益を生んでいる。HYBEグループ内で最も効率的なレーベル。
- 1ADORの苦境
NewJeansを擁するADORは売上173億ウォンでレーベル最下位。2024年のミン・ヒジン解任騒動の影響でNewJeansの活動が大幅に制限された。従業員35名(従業員データ記事参照)という超少人数体制は効率的だったが、活動停止の影響をもろに受けた。
- 11人あたり売上で見ると
| レーベル | 従業員1人あたり売上(半期) |
|---|---|
| Pledis | 11.3億₩ |
| Big Hit | 11.0億₩ |
| BELIFT | 8.3億₩ |
| KOZ | 6.1億₩ |
| SOURCE | 6.0億₩ |
| ADOR | 4.9億₩ |
PledisとBig Hitが従業員1人あたりの売上で拮抗。SEVENTEENとBTS(除隊後のソロ活動含む)の稼ぐ力が突出している。
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中堅事務所の業績(2024-2025年)
4大事務所以外の上場事務所の業績:
Cube Entertainment — i-dleの一強体制
| 項目 | 2024年 |
|---|---|
| 売上 | 2,183億₩(前年比53.4%増) |
| 営業利益 | 約160億₩ |
| 成長要因 | i-dle(旧i-dle)の「Queencard」「Super Lady」の大ヒット |
i-dleのおかげで売上53%増を達成したが、PENTAGONのメンバー契約終了やLIGHTSUMの活動休止など、i-dle以外のアーティストの収益基盤が弱い。i-dle一強のリスクがある。
FNC Entertainment — 1,024億ウォンの大台回復
| 項目 | 2025年(連結) |
|---|---|
| 売上 | 1,024億₩(2017年以来の1,000億超え) |
| 成長要因 | P1Harmony・N.Flyingの成長、俳優ロウン(元SF9)のドラマ出演料 |
バンド系(FTISLAND、CNBLUE)とアイドル系(P1Harmony)に加え、俳優部門(ロウン、チャ・ウヌならぬロウン)がFNCの収益を支えている。アイドル事務所の中では珍しい「俳優で稼ぐ」モデル。
RBW — 経営危機の兆候
| 項目 | 2025年 |
|---|---|
| 従業員 | 101名→88名に減少 |
| 課題 | MAMAMOOソロ移行、PURPLE KISS活動終了、AI事業への批判 |
| 懸念 | CEOがAIスタートアップ・NFT・金地金に投資と報じられ、ファンから批判 |
MAMAMOOのソロ活動移行で主力アーティストの収益力が低下。PURPLE KISの活動終了もあり、ファンからは「経営破綻の兆候」という声も。従業員評価1.5/5.0は主要事務所最下位(従業員データ記事参照)。
Starship Entertainment — IVEの稼ぐ力
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 親会社 | カカオエンターテインメント(非上場) |
| 2023年売上 | 2,019億₩ |
| 第2社屋 | 590億ウォンで取得(2025年) |
| 成長要因 | IVEのワールドツアー・CM・コラボ |
| 新グループ | KiiiKiii(2025年デビュー) |
IVEの成功で第2社屋を590億ウォンで取得するほどの資金力。MONSTA Xのワールドツアー(2026年)も収益に貢献。非上場のためDART公開データはないが、Cube(2,183億ウォン)に匹敵する規模と推定される。
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コンサート収益の爆発的成長
2025年Q1の公演売上伸び率:
| 事務所 | 公演売上の伸び率 |
|---|---|
| YG | +275% |
| HYBE | +252% |
| SM | +59% |
K-POP業界全体で2024年10月〜2025年3月のコンサート収益は前年比79%増。
YGが275%増と最大の伸び。TREASUREとBABYMONSTERのワールドツアーが貢献。BLACKPINKの大型ツアーが加われば、さらに数字は跳ね上がる。
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海外売上比率
| 事務所 | 韓国 | 海外 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| HYBE | 約40% | 約60% | 海外比率最高。BTS・SEVENTEENのグローバル人気 |
| SM | 約70% | 約30% | 韓国国内指向が強い |
| JYP | — | — | NiziU・Stray Kidsで日米に分散 |
| YG | — | — | BLACKPINKのグローバル収益が大きい |
HYBEは売上の6割が海外。SMは逆に7割が韓国国内。同じK-POP事務所でも、戦略によってこれだけ違う。
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K-POPアイドルの収益構造を知る意味
K-POPアイドルを目指す人にとって、事務所の収益構造は「自分がどうやって稼ぐことになるか」を理解する手がかりになる。
- コンサート中心の事務所 → ツアーが多い=体力勝負
- アルバム中心の事務所 → レコーディング・カムバック重視
- グッズ中心の事務所 → IP展開・ブランド力が重要
- ファンプラットフォーム型 → ファンとの直接的な関係構築が収益に直結
どの事務所に入るかによって、アイドルとしての「働き方」が変わる。
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