K-POPから韓国語が消えていく|歌詞の英語化と練習生が英語を学ぶべき理由
K-POPガールズグループの歌詞の英語比率が22%→70%に急増。LE SSERAFIM、BLACKPINK、NewJeansの実態データと、K-POPデビューを目指す人が英語を学ぶべき理由を解説。
K-POPの歌詞から韓国語が消えつつある。
2018年、ガールズグループの歌詞に占める英語の割合は22.4%だった。2023年には41.3%。2024年の調査では70%に達したという分析もある。LE SSERAFIMの「Perfect Night」は100%英語。BLACKPINKの最近の楽曲もほぼ英語。XGに至っては全曲英語でリリースしている。
K-POPデビューを目指すなら、韓国語だけでなく英語の重要性が急速に高まっている現実を知っておくべきだ。
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数字で見る「英語化」の実態
Korea Heraldの分析(Circle Chart Digital Top 100):
| グループ | 歌詞の英語比率 |
|---|---|
| (G)I-DLE | 53.6% |
| LE SSERAFIM | 50.5% |
| BLACKPINK | 50.0% |
| NMIXX | 49.3% |
| NewJeans | 48.4% |
| IVE | 24.9% |
ガールズグループ全体: 2018年 22.4% → 2023年 41.3%(+18.9ポイント) ボーイズグループ全体: 2018年 18.7% → 2023年 24.3%(+5.6ポイント)
ガールズグループの英語化が圧倒的に速い。
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なぜ英語が増えているのか
1. グローバル市場の拡大
SpotifyやBillboardでの成績が事務所の評価に直結する時代。英語のフックは翻訳なしで世界中に届く。K-POPのSpotifyプレイリスト登録数は2021年以降150%増加し、アメリカ・ブラジル・メキシコが成長を牽引している。
Circle Chart シニアリサーチャーのキム・ジンウは「BLACKPINKのグローバル成功以降、ガールズグループが海外進出を本格化させ、英語使用が増えた」と分析している。
2. TikTokとショート動画
曲の長さ自体が3分以下に短くなっている。TikTok・Reels・YouTube Shortsでバイラルするには「翻訳不要のフック」が有利。FIFTY FIFTYの「Cupid」はTikTokで40万本以上の動画に使われ、月間Spotifyリスナーが30万→100万に急増した。
3. 事務所の戦略
ガールズグループはファンダムだけでなく「カジュアルなグローバルリスナー」もターゲット。英語の方が間口が広い。一方ボーイズグループは熱狂的なファンダム向けなので、韓国語でも成立する。
音楽評論家のカン・テギュは「韓国の若い世代は英語歌詞に抵抗がない。K-POPの歌詞が書かれる言語は、もはや韓国語に限定されていない」と語っている。
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「K」がなくなったK-POPはK-POPか
この流れには批判もある。
韓国のネットでは: - 「K-POPの曲の2%しか韓国語じゃない」 - 「BLACKPINKの曲はもう英語でしょ」 - 「英語の歌詞は嫌だ。もっと韓国語を使ってほしい」
音楽評論家のキム・ソンデは「韓国語を取り除いたら、'K'の定義が難しくなる」と警鐘を鳴らしている。
BTS自身も内部でこの議論をしている。RMは「韓国語で歌う韓国の7人の少年を受け入れてくれてありがとう」と語り、SUGAはアルバム制作時に「韓国語のパートを増やすべき」と提案した。
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でも韓国語でもヒットはできる
英語化の流れは確かにある。でも韓国語で世界1位を取った事実もある。
- BTSの「Life Goes On」(ほぼ全編韓国語)→ Billboard Hot 100で1位
- PSYの「Gangnam Style」(ほぼ全編韓国語)→ YouTube歴史的再生数
さらに: - Duolingoの韓国語学習者(アメリカ)は22%増加 - 韓国語能力試験(TOPIK)の受験者は初めて50万人を突破
海外のファンは韓国語を拒否していない。むしろ積極的に学ぼうとしている。
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K-POPデビューを目指す人への示唆
英語力は「差別化」から「必須スキル」に変わりつつある
歌詞の半分以上が英語になった今、英語で歌えないことはハンデになる。特にガールズグループ志望者は英語力が直接パフォーマンスに影響する。
英語力がキャリアを変えたアイドルたち
| アイドル | 英語力の背景 | 効果 |
|---|---|---|
| RM(BTS) | 海外ドラマ「Friends」で独学 | グループの世界的スポークスマンに |
| ジェニー(BLACKPINK) | ニュージーランド留学 | 国際プロモーション+ブランド契約の柱 |
| フィリックス(Stray Kids) | オーストラリア育ち | 英語と低音ボイスがグループのアイデンティティに |
| ジョニー(NCT) | シカゴ育ち | NCTの英語コンテンツを一手に担う |
| ジゼル(aespa) | インターナショナルスクール | SM最短11ヶ月デビューの武器に |
韓国語と英語、どちらを優先すべきか
| 段階 | 優先 | 理由 |
|---|---|---|
| オーディション応募 | 韓国語 | 自己PRは韓国語が好印象 |
| 練習生初期 | 韓国語 | レッスン・日常会話の言語 |
| デビュー準備 | 英語 | 楽曲・インタビュー・SNS対応 |
| デビュー後 | 両方 | グローバル活動に不可欠 |
結論: 韓国語が先だが、英語は「いつか必要」ではなく「すぐ必要」になりつつある。
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XGという「答え」
全員日本人で、全曲英語で、韓国の制作システムで育成されたXG。彼女たちは自らを「K-POPでもJ-POPでもない。X-POP」と定義している。
XGのプロデューサー、サイモン・ジュノ・パーク(Jakops)はこう語っている:「どこにも属さないが、どこにでも響くアイデンティティを作りたかった」
K-POPの「K」が薄まっていく中で、言語を超えた音楽の力が問われている。
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まとめ
K-POPの歌詞は確実に英語化している。これは良いとか悪いとかではなく、グローバル市場の現実。
K-POPデビューを目指すなら、この現実に適応する必要がある。韓国語は基盤。でも英語はもはやオプションではない。
両方できる人材が、これからのK-POPで最も求められる。