Starship Entertainmentの歴史と売上推移|IVE・AENを生んだ事務所の経営実態を公表数字で読む
Starship Entertainmentの歴史と売上推移|IVE・AENを生んだ事務所の経営実態を公表数字で読む
IVEやAENを擁するStarship Entertainmentの2008年設立からの歴史と、直近4年の売上・営業利益の推移を韓国の公表数字ベースで解説。カカオ傘下の資本構造、日本人メンバーの実績、2026年の現在地まで、志望者と保護者が知りたい事務所の実態をまとめた。
Starship Entertainment(スターシップエンターテインメント)は、IVEを世界的グループに育て、2026年8月にはアミューズとの共同ボーイズグループAENを送り出す韓国の大手事務所です。売上は2021年の857億ウォンから2024年には2,078億ウォンへと4年で2.4倍に拡大し、カカオエンターテインメントが株式の66.16%を持つ資本的にも安定した体制にあります。この記事では、公表されている財務数字と設立からの歴史をもとに、この事務所の実態を冷静に整理します。
Starship Entertainmentは2008年にソウルで設立された芸能事務所です。SMエンターテインメントやBig Hit(現HYBE)での実務経験を持つメンバーが立ち上げ、最初の所属アーティストはソロ歌手のK.Willでした。現在の所属はIVE、MONSTA X、CRAVITY、KiiiKiii、IDID、AENなど。俳優部門は2017年に吸収合併したキングコングエンターテインメントを前身とする「KING KONG by STARSHIP」が担っています。
韓国の芸能事務所は「HYBE・SM・JYP・YGの上場4大」とそれ以外に大別されがちですが、スターシップは非上場ながら売上規模で中堅の枠を大きく超えており、カカオ系列の音楽レーベル群の中では中核に位置します。ガールズグループとボーイズグループの両方で継続的にヒットを出してきた再現性が、この事務所の最大の特徴です。事務所の所属アーティストやオーディション情報の全体像はスターシップエンターテインメント事務所ガイドにまとめています。
スターシップの歴史は、時代ごとに看板グループを更新し続けてきた歴史です。主な出来事を年表で整理します。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2008年 | 設立。K.Willが最初の所属アーティストに |
| 2010年 | SISTARデビュー。「Alone」「Touch My Body」などで音源最強クラスの人気に |
| 2011年 | BOYFRIENDデビュー |
| 2013年 | LOENエンターテインメント(現カカオ系)が株式70%を取得 |
| 2015年 | サバイバル番組「NO.MERCY」からMONSTA Xデビュー |
| 2016年 | 中国・楽華(Yuehua)との合弁でWJSN(宇宙少女)デビュー |
| 2017年 | キングコングEnt.を吸収合併し俳優部門を強化。SISTARは解散 |
| 2020年 | CRAVITYデビュー |
| 2021年 | 12月1日、IVEが「ELEVEN」でデビュー |
| 2025年 | KiiiKiii(3月)、IDID(9月)がデビュー |
| 2026年 | 8月5日、アミューズ共同のAENがデビュー |
2010年代前半を支えたのはSISTARでした。デジタル音源チャートでの強さは当時の韓国でも別格で、事務所の名を全国区にした存在です。2015年のMONSTA Xは米ビルボードのメインアルバムチャートに複数作を送り込み、スターシップに「グローバルで戦えるボーイズグループの事務所」という実績を加えました。
そして2021年12月、事務所の歴史を塗り替えたのがIVEです。IZ*ONE出身のチャン・ウォニョンとアン・ユジンを擁してデビューし、翌2022年の「LOVE DIVE」は韓国の主要授賞式で年間ソング賞を総なめにしました。
*IVE「LOVE DIVE」MV(Starship Entertainment公式)。2022年の年間ソング賞を総なめにし、事務所の業績を一段階引き上げた代表曲。*
2025年には5人組ガールズグループKiiiKiiiが「UNCUT GEM」でデビューし、初動20万枚超・ハント週間チャート1位と好発進。同年9月にはサバイバル番組「Debut's Plan」から生まれた7人組ボーイズグループIDIDが、CRAVITY以来5年ぶりのボーイズグループとしてデビューしました。世代交代の仕込みを止めない姿勢は、年表を見れば一目瞭然です。
「スターシップは経営的に大丈夫なのか」を判断する材料は、憶測ではなく監査報告書ベースの公表数字です。韓国の経済メディアが監査報告書をもとに報じた直近4年の推移をまとめます(円換算は2026年7月時点の概算レート1ウォン=約0.11円)。
| 年度 | 売上・営業利益 |
|---|---|
| 2021年 | 売上857億ウォン(約94億円)・営業利益45億ウォン(約5億円) |
| 2022年 | 売上1,408億ウォン(約155億円)・営業利益246億ウォン(約27億円) |
| 2023年 | 売上2,019億ウォン(約222億円)・営業利益458億ウォン(約50億円) |
| 2024年 | 売上2,078億ウォン(約229億円)・営業利益269億ウォン(約30億円) |
数字が示すストーリーは明快です。IVEデビュー前の2021年、売上857億ウォンに対して営業利益は45億ウォンにとどまっていました。それがIVEの活動が本格化した2022年に売上1,408億ウォン・営業利益246億ウォンへ跳ね上がり、2023年には売上2,019億ウォン・営業利益458億ウォンと過去最高水準に達します。1つのグループの成功が事務所の損益構造を根本から変えた、教科書のような事例です。
2024年は売上2,078億ウォンと微増を保った一方、営業利益は269億ウォンへ約41%減少しました。ただしこれについてカカオエンターテインメント側は、既存アーティストの活動拡大や新人の企画制作への投資費用の増加によるものと説明しています。実際にこの期間、スターシップはKiiiKiii、IDID、AENと新人を3組続けてデビューさせており、利益減は縮小ではなく先行投資の局面と読むのが実態に近いでしょう。営業利益269億ウォンという水準自体、2021年の6倍であり、赤字ではまったくありません。なお、上記は子会社を含む集計として報じられた数字で、単体決算では異なる数字が公表されている場合があります。
志望者の保護者にとって重要なのは「この会社は誰が支えているのか」です。スターシップは2013年12月、音楽企業LOENエンターテインメント(メロン運営元)に株式70%を取得され、その傘下に入りました。2016年にカカオがLOENを買収したことで、スターシップはカカオグループの一員となり、LOENはその後Kakao M、2021年からはカカオエンターテインメントへと再編されています。
2025年8月には、カカオエンターテインメントがスターシップ株式を追加取得し、持株比率を58.17%から66.16%に引き上げました。これは2019年の株主間契約に基づく整理で、韓国IT最大手カカオのグループ内でスターシップが引き続き中核レーベルとして位置づけられていることを示すものです。カカオ本体を巡っては経営陣の司法問題などが報じられた時期もありましたが、スターシップ自体の運営やアーティスト活動は継続しており、業績への直接的な影響は上記の数字に表れていない、というのが現時点で確認できる事実です。
日本からスターシップを目指す人にとって最大の先例が、IVEのレイ(直井怜)です。2004年2月3日生まれ、愛知県名古屋市出身。日本人としてIVEのデビューメンバーに選ばれ、ラッパーとしてグループの世界的成功の中心にいます。名古屋からグローバルグループに至った経緯はIVE レイの完全プロフィールで詳しく解説しています。
そして2026年、スターシップの日本人比率は一気に高まります。アミューズとの共同グループAENは7人中3人が日本人。HARU(2006年2月25日生まれ)、HARUTO(2006年3月22日生まれ)、そして最年少のKAIRA(2008年5月10日生まれ)です。メンバーの大半はサバイバル番組「Debut's Plan」に出演しており、公開の選抜過程を経てデビューに至りました。グループの全容はAENメンバー・デビュー情報を、最年少メンバーについてはAEN カイラの完全プロフィールをあわせてどうぞ。
一方、2025年9月デビューのIDIDは7人全員が韓国人メンバーで、日本人は在籍していません。スターシップにおける日本人の道は、現状「IVEのレイ」と「AENの3人」という2つの実例に集約されます。他事務所も含めた日本人の成功例は日本人K-POPアーティスト名鑑で横断的に確認できます。
2026年のスターシップは、看板と新人の二正面で動いています。IVEは2月に2ndフルアルバム「IVE REVIVE+」を発表し、タイトル曲「BANG BANG」は2026年最初のパーフェクトオールキル(全主要チャート1位)を記録。4月のクアラルンプールを皮切りにワールドツアー「SHOW WHAT I AM」を開始し、7月から8月にかけては北米アリーナを回る日程が組まれています。デビュー5年目にして、動員規模はキャリア最大です。
*IVE「REBEL HEART」MV(Starship Entertainment公式)。2025年1月公開。IVEはこの後2026年のフルアルバムとワールドツアーへと活動を拡大していく。*
新人側では、8月5日にAENが1st EP「A NEW ERA OF NOW」でデビューします。7月に日本で行われたお披露目イベントも音楽メディア各社が報じており、日韓同時に立ち上げる座組はアミューズとの共同プロジェクトならではです。KiiiKiiiは デビュー年の勢いを保ったままカムバックを重ね、IDIDもデビュー2年目に入ります。看板グループの世界ツアーで稼ぎながら、その利益を3組の新人に再投資する。2024年の営業利益減少の背景にあった投資が、2026年に形になりつつある構図です。
A. 2008年設立、ソウルに本社を置く韓国の大手芸能事務所です。SISTAR、MONSTA X、IVE、KiiiKiii、IDID、AENなどを輩出し、カカオエンターテインメントの子会社として音楽レーベル群の中核を担っています。俳優部門「KING KONG by STARSHIP」も持ちます。
A. 公表数字を見る限り、売上は2021年857億ウォンから2024年2,078億ウォンへ拡大し、4年連続で営業黒字です。2024年は新人3組への投資で営業利益が前年より減りましたが、水準としては269億ウォン(約30億円)の黒字。さらに株式の66.16%を韓国IT大手カカオ系のカカオエンターテインメントが保有しており、資本面の後ろ盾も明確です。
A. います。IVEのレイ(名古屋出身)がデビュー以来活躍しており、2026年8月デビューのAENには HARU、HARUTO、KAIRAの日本人3人が在籍します。一方、ボーイズグループIDIDに日本人はいません。
A. スターシップは公式サイトやSNSで随時オーディション情報を公開しており、近年はサバイバル番組「Debut's Plan」やアミューズとの共同プロジェクトのように、日本人が参加できる選抜経路も増えています。応募方法や準備の全体像は下記の完全ガイドを参照してください。
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スターシップという事務所を「受ける側」の視点で見るなら、次のステップは情報収集です。応募の実務はK-POPオーディション2026完全ガイドに、先輩たちのキャリアの実例は日本人K-POPアーティスト名鑑にまとめています。AENの日本人メンバーがどんな過程でデビューを掴んだかはAENメンバー・デビュー情報とAEN カイラ完全プロフィールが、IVEで世界に立つ先例はIVE レイ プロフィールが参考になるはずです。
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